子爪の種類と使い分け|六角・丸・ひし型で高精度チャッキング

六角・丸・ひし型をユニット構造で使い分け。子爪バリエーションを活かして段取り効率化

カメチャックでは、チャック本体に親爪(ベース)を取り付け、その上に用途別の子爪を装着する「ユニット構造」を採用しています。この構造により、ワークや工程に応じた子爪バリエーション(六角・丸・ひし型)を柔軟に使い分けることができます。

子爪の素材は、加工のしやすいアルミ製から、耐久性に優れた鉄製まで幅広く対応。ワーク形状や強度要求に応じて適切な材質が選べます。複数面の利用によって、成形回数の最大化も可能です。多品種少量生産や段取り替えの多い工程においても、豊富なバリエーションの活用で高精度と作業性の両立が実現します。

六角子爪|小径・薄物も高精度。密着チャッキングを実現

六角のカドが密着する独自形状。再成形も効率化できる子爪です。

六角生爪|スクロールチャックの三方向均等動作に対応する六角形状。小径・薄物ワークも高精度に把握

六角子爪は、スクロールチャックの同時開閉動作に合わせて、三方向からの均等な把握力を実現する独自形状です。六角のカドがワークに密着しやすく、小径部品や薄物ワークでも優れた安定性と精度を確保します。

さらに、六角子爪は1つの子爪に最大6つの成形面を備えており、ボルト1本のローテーションで未使用面に切り替えが可能。再成形の効率を高め、段取り替えの時間を短縮し、成形回数を最大化します。

材質もアルミから鉄まで幅広く対応し、加工内容や耐久性要件に合わせた選定が可能。現場の用途に応じて、使い切る工夫と高精度なチャッキングを両立できる、合理的な子爪設計です。

六角子爪の仕様

標準サイズの他に特注製作も承っております。鉄、アルミ、ステンレス、真鍮、樹脂など、材質を柔軟に選択可能です。

形状寸法(A・B・C・D)に基づいた標準仕様のほか、用途に合わせて穴径や座グリ深さなどのカスタム設計も対応いたします。図面やワークに応じて最適な子爪をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

NC旋盤パワーチャック用子爪|カメチャック

以下は代表的な仕様例です。チャックサイズやワーク径に応じて、最適な寸法・材質をご提案いたします。

規格例 A B C D
H65S28-S12-43G 65 37.5 43 M12
H85S28-S12-43G 85 48.9 43 M12
H100S28-S12-43G 100 57.5 43 M12

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丸子爪|コスパと互換性で賢く使えるもう一つの選択肢

六角子爪と同じカメチャック規格に対応し、最大6面をセルフカットで使い分けられるローテーション構造。形状がシンプルで、材質やサイズの自由度も高く、コスト重視の工程に最適です。

丸子爪|既存の六角用親爪に装着できます。導入も段取りも効率的

丸子爪は、六角子爪と同じカメチャック規格に対応した互換型の子爪です。既存の親爪や運用手順をそのまま活かせるため、導入や段取りがスムーズに行えます。さらに、六角子爪と同様、最大6面をセルフカットで順に使い分けられるローテーション構造を備え、再成形や段取り替えの効率化に貢献します。

形状がシンプルで汎用性が高く、材質やサイズのバリエーションも豊富な点も特長です。製造コストを抑えやすく、特に大径ワークや特殊材質を扱う工程では、実用性と経済性のバランスに優れた選択肢となります。

丸子爪の仕様

丸子爪は特殊製作がしやすい形状です。サイズ違い、材質違いなどご要望をお気軽にご相談ください。

形状寸法(A・B・C・D)に基づいた標準仕様のほか、用途に合わせて穴径や座グリ深さなどのカスタム設計も対応いたします。図面やワークに応じて最適な子爪をご提案いたします。

カメチャック丸子爪の寸法の図面

以下は代表的な仕様例です。チャックサイズやワーク径に応じて、最適な寸法・材質をご提案いたします。

規格例 A B C D
R69S28-S12-43G 69 34.5 43 M12
R89S28-A12-43G 89 44.5 43 M12
R109S28-A12-43G 109 54.5 43 M12

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ひし型子爪|変形を抑える薄物対応の特殊生爪

薄肉ワークを安定して把握できる形状と、180度ローテーション可能な構造により、薄物加工の精度と段取り効率を両立します。

ひし型子爪|接触面が広いひし型子爪で、反りやすいワークも安定把握

ひし型子爪は、反りやすい薄肉ワークの把握に適した形状を持ち、接触面を広く取ることで変形を抑制し、高精度な仕上がりを実現します。

左右対称構造により180度反転しての使用が可能で、未使用面に切り替えることで成形回数を倍増。再成形の手間を減らし、段取り効率も向上します。

親爪は六角子爪と共通で、互換性の高い設計。既存の設備と段取りをそのまま活かして導入できます。ザグリ穴や段差のあるワークにも対応し、安定把握を実現します。

ひし型子爪の仕様

標準サイズの他に特注製作も承っております。標準品材質はアルミを推奨しています。鉄やその他材質でも製作は可能です。

形状寸法(A・B・C・D)に基づいた標準仕様のほか、用途に合わせて穴径や座グリ深さなどのカスタム設計も対応いたします。図面やワークに応じて最適な子爪をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

ひし型生爪の図。変形や歪みを防ぐため、把握範囲を広くとれる生爪

以下は標準の仕様です。チャックサイズやワーク径に応じて、最適な寸法・材質をご提案いたします。

規格例 A B C D
D200S28-A12-43G 200 61 43 M12

ストレート成形|汎用的な把握面をつくる──六角・丸いずれの子爪でも成形可能

標準的なチャッキングとして活用できる「ストレート成形」は、六角子爪・丸子爪のいずれでも成形可能です。

「ストレート成形」は、六角子爪・丸子爪のいずれでもセルフカットでご用意できます。

1コーナーに大きめのRをつけてストレートに成形しておくことで、シャフトや黒皮材など多様なワークの把握に適した汎用的な把握面を確保できます。黒皮材や鋳物用にする場合には外周に食い込むように小さいRでの成形もおすすめです。また溝をいれたり、焼き入れすると硬爪のような運用もできます。このストレート面を用意しておけば、リピート品や中ロットの加工時に段取りを大幅に効率化できます。

成形のポイントとやり方

  • 生爪を大きく開く(鋳物や黒皮用は小さめ)
  • カメチャック先端をストレートに成形する

Rが大きいほど、より汎用的にさまざまなワークを把握できます。六角子爪の場合、先端角が120°あるため、そのままではワークに傷がつきやすいですが、大きなRを持たせたストレート成形によって、そのリスクを軽減できます。

鉄系素材の黒皮素材をチャッキングした様子

「標準位置」としての運用

高精度の加工品には個別に成形を行い、それ以外の一般的なワークにはこのストレート成形済みのコーナーを「標準位置」として活用することで、作業の切り替えがスムーズになります。六角子爪・丸子爪のいずれでもこの把握面を成形できるため、現場の柔軟性と成形効率を両立するための有効な運用方法です。

逆爪|親爪を反転させて、子爪を活用する方法

六角・丸子爪の親爪を180度反転することで、逆爪としての運用が可能になります。大径ワークにも適したストレート成形面を確保できます。

チャック本体に取り付ける親爪(ベース)を180度反転して逆爪として使えば大径ワークの把握にも対応可能です。

チャック外径側で把握できるため、リング状ワークや外把握が必要な薄肉部品にも対応。使い慣れた親爪と子爪を活かして、大径ワークの加工もスムーズに行えます。

▶ 逆爪の使い方と成形ポイントを詳しく見る(ブログへ)

高爪対応|標準では届かない深さに応える特注子爪

高爪は、標準子爪では届かない長物ワークや深さのある把握に対応するための特注仕様です。「生爪のつかみ代(しろ)を長くとりたい。」「標準サイズだと長さが足りない。」ご希望の寸法で、1セットから製作いたします。

六角子爪・丸子爪・ひし型子爪のすべてにおいて、高爪としての特注製作が可能です。把握代を多く確保したい場面や、大径ワークの段差・溝をまたいで固定する必要がある工程でも、高爪が有効です。既存の親爪構造を活かした設計で、現場に合わせた寸法に対応します。図面の有無にかかわらず、お気軽にご相談ください。

カメチャックの選び方を知りたい方へ:
【図解】カメチャック選定のポイント

用途に合った子爪を、現場仕様でご提案します

チャックやワーク形状に合わせた子爪選定、再成形のご相談など、
加工現場のニーズに応じて最適なご提案をいたします。

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