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11.182019
大きな径のワークは逆爪でつかむ

汎用旋盤やNC旋盤で小径をチャッキングするのに最適な六角生爪。
さらに、チャック本体に取り付ける親爪(ベース)を180度反転して逆爪として使えば
大径ワークの把握にも対応可能です。
親爪の取付後は、六角子爪や丸子爪など
ワークに応じた子爪を装着するだけです。
アルミ製の子爪で把握することで、ワークに傷をつけにくくなります。
強度面で不安がある場合は、鉄製の子爪もご用意しています。また、スクロールチャックでの作業で親爪を反転させ、丸子爪をつけることもできます。
「高爪として使うので、子爪の長さを変えてほしい」「子爪のザグリ深さをかえたい」といった個別のご要望にも対応可能です。
お気軽にご相談ください。
逆爪とは:反転使用や専用爪による特殊な把握方法
逆爪とは、生爪を180度反転させて使用することで、通常とは逆方向にワークを把握する手法、またはその用途に特化した専用の生爪・硬爪のことを指します。一般的なチャッキングでは、外径を締め付ける「外把握(外張り)」が主流ですが、逆爪はそれに加え、ワークの内側から外方向に押し広げる「内把握(内張り)」にも対応可能です。主に、大径ワークやリング形状、内径からの把握が求められる薄肉部品の加工に使われます。<なお、成形方法としては、外張りの場合は内径工具で、内張りの場合は外径工具でワーク寸法に合わせて行うのが一般的です。
外周加工や工具干渉の回避に効果的
ワーク外周に工具を当てる加工では、通常の生爪では工具と干渉することがあります。逆爪を使えば、把握位置を内側にずらすことで工具の逃げを確保でき、加工の自由度が高まります。さらに、把握位置の最適化によって切削中の振動や歪みを抑えることができ、加工精度の向上にも寄与します。
大径ワークやリング形状の内径把握に最適
逆爪は、大径ワークやフランジ・リング状の部品を内径から支えるのに非常に適しています。特に薄肉構造のワークでは、外側から締め付けると歪みや変形が起こりやすくなりますが、内側から均等に力をかけて把握することで、安定した形状保持と高精度な加工が可能になります。
生爪の反転使用による汎用的な運用
長方形の汎用生爪では、180度反転させて反対側をセルフカットし、逆爪的に使う方法が現場で広く行われています。この運用により、一つの生爪で正方向・逆方向の両方に成形・使用が可能となり、爪の在庫管理の効率化や段取り替えの短縮にもつながります。
応急手段としての溶接ピース活用
専用の逆爪が手元にない場合、通常の生爪先端にピース(ブロック材など)を溶接して、把握面を延長・変更する手法がとられることもあります。この方法は、現場の工夫として即応性に優れた手段ですが、溶接強度や寸法の再現性にはやや不安が残ります。
使用前に確認すべきチャック構造
逆爪を使用する際は、チャック本体や親爪の構造が、逆方向での装着や内把握に対応しているかどうか、事前に確認する必要があります。すべてのチャックが逆爪に対応しているとは限らず、構造的な制約を無視すると、把握力の不均衡やワークの脱落といった安全上のリスクが生じるおそれがあります。
精度と工程効率を高める柔軟な選択肢
逆爪は、通常の生爪では対応が難しいワーク形状や加工条件に対して、柔軟に対応できる重要な手段です。専用爪・反転運用・溶接対応など、現場の状況に応じて適切に使い分けることで、加工精度の向上と工程の合理化を同時に実現できます。現場での工夫と正しい理解が、品質と効率を高める鍵となります。
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六角・丸・菱形の子爪バリエーションや、親子構造による導入メリットなど、
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現場ごとの細かな仕様にも対応いたします。